仲間の声
まもなく夏の選抜高校野球が行われます。
それに伴って、各地方では予選が行われており、既に高校球児たちは熱い夏が始まっています。
埼玉県西武文理高校の記録員に3年生の山口さんがいます。
山口さんは、昨年自転車で下校中に飲酒運転の車にはねられ、2週間意識が戻りませんでした。
帰宅が遅い、山口さんを心配し、両親が探し回っていた矢先に警察から事故の連絡が入りました。
脳に損傷を受けており、医師からは「ずっと意識が戻らないかもしれないし、人それぞれ。声をかけてあげてくださいね」と言われました。
そこで、西武文理高校野球部のチームメイト約50人がビデオレターを作りました。
「一緒にまた野球やろう」「待ってるぞ」
意識のない山口さんの耳元で聞かせると、涙を流したそうです。
その翌日、山口さんは意識が戻りました。
選手生命は絶たれましたが、入院期間中にスコアの勉強をし、スコアラーとしてベンチに入りました。
18日にチームは敗れ、甲子園の切符を手にすることはできませんでしたが、最後までベンチから声を出し続けました。
選手として立てないことに心が揺らいだことももちろんあったそうですが、自身の選択に悔いはなかったと述べています。
周りの諦めない声がしっかりと届き、本人の諦めない気持ちが合致し、一緒に戦うことが叶いました。
チームメイトも山口さんと一緒に戦え、間違いなく思い出に残る熱い夏になったことでしょう。
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