密葬とは、故人の葬儀を家族や親族などの近親者のみで内々に行い、一般の方や多くの関係者を招かずに小規模で執り行う葬儀の事です。　通常は後日、広く参列者を招いて本葬やお別れ会を行うことを前提としています。　主に会社の役員や著名人などで、立場上大規模な葬儀をすぐに出来ない場合や組織の混乱回避のために選ばれます。　また、家族だけでゆっくり故人を見送りたい場合にも密葬が行われます。　

家族葬との違い

家族葬は家族だけあるいは参列者が非常に少ない葬儀で、本葬やお別れ会を行わないケースも多くあります。　これに対して密葬は必ず後日、本葬や告別式を行うと言う点で異なります。　密葬は「秘密に行う葬儀」という意味合いが強く、公表せずに内々で行うのが特徴です。　

密葬が選ばれる理由

・組織や団体のトップが亡くなった際に、死去の情報を公にすると組織が混乱する場合の対応。

・後継者争いなど内部事情が落ち着くまで外部に知らせない為。

・大規模葬儀の準備時間が必要で、まず内輪で葬儀を済ませたい場合。

・家族だけでしっかりと故人を見送りたいという遺族の意思。

密葬の一般的な流れ

1.ご遺体の迎え入れと安置
2.枕経・納棺
3.通夜（省略される場合もあり）
4.葬儀・告別式（親族のみ）
5.出棺・火葬
6.本葬（後日、広く参列者を招く場合）

本葬は密葬の後に改めて行われる葬儀やお別れの会で、一般の参列者が招かれます。

マナーや注意点

・密葬は外部にあまり知らせない事が多いですが、参列者への配慮や遺族の気持ちを大切にすることが重要です。　

・密葬の費用は一般的な葬儀よりは小規模のため、30万～100万円前後が目安となります。　

・服装や作法は通常の葬儀と同時に礼儀正しく行う事が求められます。

密葬は遺族や近親者による個人の静かな見送りとしての役割が強く、その後に本葬という形で社会的な弔いを行う葬儀形態です。　特に著名人や企業の経営者などでも今なお選ばれており、密葬の意味と流れを理解する事は葬儀サービス関係者にとって重要です。