銀行などの金融機関に預貯金をしている人が亡くなるとその方の銀行口座は凍結され遺産分割が終了するまでは預貯金を引き出すことができませんでした。

これは一部の相続人が勝手に預金を引き出してしまい、トラブルを防ぐために行われています。

しかし、ご遺族の生活費や葬儀費用が不足して困窮することがあったことから民法が改正され、2019年に「遺産分割前の相続預金の払戻制度」が施行されました。

この制度により、相続人はそれぞれ単独で金融機関にある被相続人の預貯金のうち一定金額払い戻せるようになりました。

払戻可能額の計算式は「払戻可能額＝相続開始時の預金額×1/3×払戻を行う相続人の法定相続割合」です。

例えば、預金が720万円、相続人が2人の子供だけの場合、子供の法定相続割合は1人につき1/2なので1人が払い戻せる金額は「720万円×1/3×1/2＝120万円」となります。（同一銀行からの払戻額は1人につき150万円が上限）

そちらを葬儀費用に考えられる方も多いですが、故人の出生から死亡までの戸籍謄本または全部事項証明書、相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書等、金融機関に提出する書類も必要な為、時間を要することは頭に入れておきましょう。

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